8月29日、戦況報告

朝6時起床。

家は最寄り駅まで徒歩20分強かかる。結婚前は、妻が車で送ってくれる、といっていた。それを頼りに私が妻の家に越した。が、妻は寝起きが非常に悪い。妊娠前でも目つきが悪かったが、妊娠後はそれに加えて吐き気が加わった。起こすのが忍びなく、私が起こしたせいで吐き気が始まるのが私にとってもストレスに感じて、今日まで、自分で起きてくれる日はお願いし、起きなければ諦めていたのだが、そうしているうちに、全く起きなくなった。

が、今日は起こすことにした。送ってくれる?と聞くと、うん、と答える。準備をするのを眺めていると、メガネをかけずに出ようとする。見つからないから、なくていい、とのこと。危険である。探すとベッド脇の床に放置していたので、渡す。不機嫌そうに礼をいわれる。耐える。

 

仕事場につく。妻に送迎感謝のLINEを送る。ほか、結婚してくれたこと、妊娠してくれたこと、育ててくれていることの感謝を伝える。もちろん本心。誠実さが、この戦いの武器である。

 

するとしばらくして返信。生活が変わってしまったことへの申し訳なさとしばらく許してほしいという本音が。

さっそく戦果か。この武器は効く!

と同時に、ひとつの仮説。

 

妻は喋るよりもLINEのほうが楽なのでは?

話すとどうしても不機嫌な話し方になってしまうし、吐き気も助長される。対してLINEは考えて話せるし、指を動かすだけでいい。その分素直になれるのでは。

 

仮説が立てば、次は検証。

これから毎日、LINEで大げさなほどの感謝を伝えてみることにする。

 

妻とほぼ同時に帰宅。仕事どうだった?と聞くと、ふつう、と仏頂面。帰りのバスの中では買い物に行きたいと言っていたが、ナビに入力していたのは外食店。いつのまにか外食に変わっていたようだ。妻の行きたいところに黙ってついていく。

 

外食先で妻国からの攻撃。

つわり以降、最初に変わったと思ったのが、仕事の話だった。大変だったね、おつかれさま。から、楽しそうでいいね。といわれるようになった。こんなことがあって大変だった、という話をしても、そんな仕事があって楽しそうだね、という返され方で、これがボディブローのようにじわじわと効いてくる。

故に仕事の話はしないようにしていたのだが、向こうから聞いてきたらどうしようもない。

 

妻 仕事どうだった?

私 こんなことがあったよ

妻 楽しそうでいいね

 

恐ろしい戦略爆撃である。退路を断った上で、工廠を効果的に爆撃してくる。

 

今日も爆撃警報を鳴らす間も無く空襲に遭ったが、こちらはあえてその爆撃を受けながら、別の話にすり替えて対話を続けてみた。そうするとどうだろう。対話が継続したのだ。

妻と久々に、5分以上会話した気がする。

戦果微小を大勝利に書き換えて号外を出す太平洋戦争下の日本軍のような自分を哀れに思いながら、帰路につく。

 

帰ると妻はリビングで黙り込んでテレビとダラダラモード。大丈夫か聞くと、大丈夫、とのことなので、風呂に入り就寝。

 

本日の戦果

会話5分