前史〜妻国との国交樹立(出逢い)まで〜

妻と出逢うまで、私には結婚願望がなかった。妻の前に付き合っていた女性とは長く、私の家に半ば押しかけてくる形で半同棲もしたが、暮らせば暮らすほど、結婚は考えられなくなっていた。相手にも悪いのでお別れを伝え、独り身になって、かねてから独りになったらやってみたかったことをやることにした。

 

婚活パーティである。

 

結婚願望がないのに最低、と思われても仕方ない。だれかと、どうにかなりたいとも思っていなかった。ただ、最近流行りの婚活パーティ、ネタとして行っておこう、ぐらいの気持ちであった。真剣に参加しておられる方に失礼千万であることは承知。批判は甘んじて受けよう。

 

ところが、そこで出逢ったのが妻である。

 

他の参加者とは明らかに違っていた。美しかった。可愛かった。話し方も好きだった。職業も安定していた。なにより性格の一致が奇跡的だった。

 

あとついでに乳がでかかった。

 

妻は他の参加者とは明らかに異彩を放っていたので、指名の倍率が跳ね上がることは目に見えていたが、先述したようにだれかとどうにかなることを期待していたわけではなかったので、置きにいかずに妻一点張りで進軍。すると妻も私を指名してくれていたのであった。

その後一緒にカフェに行き、コーヒー1杯で語り合い続けた。思った通り妻は全員から指名されていたらしい。それでも自分を選んでくれた。その時にはもう、遊びではなくなっていた。あまりにもうまく行きすぎていた為、ツボを売られると思っていた。

 

その後、ディナー、1日デートと重ね、一週間のうちに付き合うことになった。とにかく話が尽きなかった。文字通り語り明かした夜もあった。

 

2週間目には妻が自宅に招いてくれた。

それからというもの、少々下品だが、日々やりまくった。

 

出会いが婚活パーティであったこともあって、すぐに結婚の話になった。

 

トントン拍子、とはこのことか、と実感した。もちろん課題もあった。

ひとつは、お互いの性格が一致しすぎて、欠点まで同じであること。二人とも大雑把で、部屋の片付けが苦手。これは2人でちゃんと律しあいましょうということになった。

ふたつは、お金。私は結婚願望がなかったし、実は妻も結婚を期待してパーティにきていたわけではなかったらしい。両者先立つものがなかった。そこで、ちゃんと計画を立てて貯めましょう、ということになった。

 

出逢って1ヶ月も立たないうちに、気づけば式場が決まっていた。貯金計画も動き出していた。とても幸せだった。こんな幸せを感じることは自分には無理だと思っていた。